他の地域はどうかわからないが、珠洲市には「移住者コミュニティ」なるものがある。
これも移住担当の方のお告げから、参加させてもらった。
移住した際にどのコミュニティに所属するかは、その後の生活を送る上で非常に重要であるように感じる。
田舎であるほど、趣味やスポーツなどに勤しむコミュニティが活発で、
草野球チームや釣り仲間のようなコミュニティから
市民の人と接点をもつことから始めると、自然と街に溶け込んでいけるのではないかと
自分の中のリトルシンヤがそう言っていた。(のであまり参考にはならない)
この移住者コミュニティは、珠洲に移住してきた人たちが集うコミュニティで、
そんなコミュニティがあることにも驚いたが、
なにより若い人がたくさんいて驚いた。
珠洲に来てから「20代は自分だけなんじゃないか」くらいの対応を受けていたので、
ほんとに驚いた。
感覚的には100人くらいいたが、実際は30人くらいだったように思う。
今回の会は、珠洲にUターンしてきた方が「いかなてて」というレコードショップ兼飲食店をオープンした記念や
コミュニティの人達の結婚祝い、自分の歓迎会など盛りだくさんな内容。
移住者が増えるたびに歓迎会を開いたり、移住に関する悩みなどをコミュニティ間で解決したりしているとのこと。
そんな風に移住者のコミュニティ形成をサポートしてくれるのも珠洲市の良いところだと感じる。
さらに、
面白い移住者がたくさんいるというところも珠洲移住者コミュニティの魅力的なポイントだ。
能登半島先端に移住するというだけでも、やはり風変りな方は多い(自分がいうのもあれだが)
だからこそ、なぜかみんな気が合い、多様性を受け入れてくれる素地がある。
そこで出会ったステキな移住者を紹介したい。
「カリフォルニアから来ました!」
この会に、小柄で綺麗な顔立ちの外国人男性が一人いた。
色が白くて、目は青く、カタカナ5文字で言えば「ザ、イケメン」。
「この人も移住者なのか?」と、すこし疑問に思っていたら、
「ようこそ!珠洲市へ!どこからきたの?」
と、明るく流暢な日本語で話しかけてくれた。
それはそれは手慣れていて、何度も移住者の人と会話してきたのだろうと直感的に思い
「あ、絶対珠洲に住んでる移住者だ」と一瞬で理解した。
たぶん自分が移住者の女子だったらイチコロ。
この一月ほどで何度も一連の移住の経緯を話してきたので、
自分なりに自己紹介がかなりうまくなったと思っていたのが、
珠洲弁を織り交ぜた流暢な日本語に圧倒されたのと、
彼の移住への経緯が気になりすぎて、グダグダ。
むしろこちらが日本に来たての外国人状態だった。
「自分はカリフォルニアから移住してきました!」
自分の北海道出身という意外性を売りにしてきたのが、恥ずかしいくらいの意外性。
彼の移住の経緯を簡単に説明すると、
①外国語交流チャットで今の奥さんと知り合ったとのこと。
②奥さんは珠洲に移住してきた人で、チャットで仲良くなり、お互いに珠洲とカリフォルニアを行き来していたそう。
③そして彼は、珠洲が気に入り、カリフォルニアから移住。
④珠洲以外の土地はほとんど行ったことがない。
そんな愛の育み方があるのか?すごいな!
と思っていた矢先の彼の一言
「いや~現代のRomance(ロマンス)だね~~!」
ルー大柴か!
だが、このRomanceの発音は、我々がよく広瀬香美の歌などで耳にする「ロマンス」とは別次元の響きだ。
ネイティブ中のネイティブな発音。
「ロマンス」ではなく「ルマーンス」。
珠洲に来て一番笑った。(2ヶ月しか経ってないが)
珠洲弁のリスニングにの授業中に、ネイティブ中のネイティブの英語を聞くことになるとは思わなかった。
その他紹介しきれないほど面白い人たちがたくさん集まっている。
こんなにいろんな人や人生があるんだなと、改めて痛感した。
珠洲は価値観が揺らされる瞬間が多くある。
珠洲に来るまで、このコミュニティの存在を知らなかったが、
移住を考えている地域のコミュニティを調べることは、その風土や土地柄を理解するのに一番の方法だと、自分は感じます。
これにて移住をしてからしてきたことシリーズ終了です。
おわり